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2016/02/09 18:51

はじめまして。
こんにちは!「負けるな、ようび、愛してる」プロジェクトのアサイアサミです。仕事はライターをしています。
 
東京から岡山へ移住して、ソーシャルなヒトコトモノをココホレワンワンしてきましたが、そのなかでも岡山県西粟倉村はとびきり変態が多く、とびきり面白い村です。「ローカルベンチャー」と呼ばれる起業家達が人口1600人の小さな過疎の村に集まり、自分たちのやりたいことを好き勝手にやって日本中にソーシャルインパクトをどっかんどっかん起こしているんですから、最初は「なぜなぜホワイ?」と思わずにはいられませんでした。
その好奇心と探究心で、私はいま挑戦する彼らの姿を追い、ニシアワーというサイトでレポートしています。その中で「木工房ようび」も何度も取材して、ひたむきにものづくりをしている彼らの姿を追っていました。立ち位置的には「おせっかいな親戚のおばちゃん」くらいの距離感でしょうか。
 
平成の大合併を拒み、自立の道を選んだ西粟倉村。そして2008年に「約50年前に、子や孫のためにと、木を植えた人々の想い。その想いを大切にして、立派な百年の森林に育て上げていく。そのためにあと50年、村ぐるみで挑戦を続けようと決意する」という理念『百年の森林構想』を掲げ、小さな村は2058年に向けて舵を切りました。そのスタートダッシュ時、西粟倉村で起業したのが、大島正幸さん率いる「木工房ようび」です。
その「百年の森林構想」を担うローカルベンチャー(地域起業家)のひとつが「木工房ようび」です。家具職人の大島正幸さんが「百年の森林構想」を訊き、家具を作れば作るだけ、森が保たれ美しく生まれ変わるということに感銘を受けて、西粟倉村に移住。そして西粟倉の「百年の森林」の木材で世界でも類を見ない“ひのきの家具”づくりに挑戦します。

軽くてやわらかいひのきを家具にすることは並大抵の苦労では難しく、完成するのは難しいといわれていました。しかし、大島さんは諦めません。試行錯誤の末、できあがった美しい家具たちは国内外で高い評価を得ます。西粟倉村の木材に付加価値をつけることに成功します。それは、この森林に囲まれた小さな村にとってどれだけの価値をあることだったでしょう。そんな大島さんの志(こころざし)に共感して、仲間も増えました。

その後の活躍は言わずもがな。国内外で評価されるワールドスタンダードなひのきの家具の未来をまだまだ見たい。百年の森林に新たな付加価値をもたらし、豊かな日本の森林を守るソーシャルグッドな職人集団を、いまここで絶やすわけにはいかないと私は思っています。
 
火事で全焼したようびを支援する方法とは
そんな矢先、2016年1月23日、木工房ようびの工房で火災が発生して、工房は全焼。材料も道具も工房もすべて燃えてしまいました。
青天の霹靂と呼ぶには残酷すぎる出来事で、彼らの奮闘を知る者として悔し泣きするしかありませんでした。それと同時に、驚いたのが「彼らを助けたい」という声の多さです。それは、西粟倉村に降り積もる雪のように厚みを増し、溶け消えることがありませんでした。
 
それと同時に、すべてを焼かれもっていかれた「木工房ようび」たちも真っ黒な瓦礫の中から立ち上がり、再起することを決めます。
 
 
西粟倉村の「西粟倉・森の学校」「村楽エナジー」をはじめ、ローカルベンチャーたちが現地で手助けをする中、全国、いや全世界で「木工房ようび」のものづくりを応援したい、その気持ちが「負けるな、ようび、愛してる」プロジェクトになりました。
 
プロジェクトの内容は主に
・彼らの近況を木工房ようびラバーズに届けること
・木工房ようびラバーズの声を彼らに届けること
・全世界で同時多発で起こっている支援活動を紹介すること
そしてなにより、一番大事なことが「彼らのものづくりを持続させること」です。
義援金、寄付、ボランティア…さまざまな方法がある中で「家具の注文が新規であったら、俺、心の支えにしてがんばるわ〜」と言った大島正幸くんのひとこと。それだーーー!!!というわけで、今回、BASEさんで、ECサイトを立ち上げました。
 
BASEさんは西粟倉村の「ソメヤスズキ」をはじめ、阿波村「あば商店」、美作市「民芸新時代」、岡山市「ココホレ物産」など、岡山のソーシャル良いものを扱うECサイトで利用させていただいているサービスです。今回も一早い支援が必要な中、すぐに対応していただけました。BASEさん、ありがとうございます!ご縁ラブ!!
 
彼らのものづくりを持続させる商品
 
「負けるな、ようび、愛してる」ECサイトでは、木工房ようびがものづくりを続けていくために、家具の注文を受け付けています。木工房ようびの芸術的な家具の中でも特にみなさんに愛されているものをチョイス。注文を受けることによって、物理的にも心の支えとしても、彼らの再起の手助けになります。
ただし、この商品は届くまで何か月もかかります。彼らが復興した、その手で、あなたの家具をつくります。モノを買う、という意味では、とても気長におまちいただくことになります。
ちなみに私は、「ホタルスツール青」を買いました。その椅子が到着するまでのようびを応援し、繋がっている期間、彼がものを作っているという実感、そして商品が届いた時の感慨を想像すると、とても幸せな気持ちになります。「モノを買うこと」の本質を、今回のことで気付かされた気がしました。
 
なによりも、彼らが、この逆境を乗り越えたあと、どんなものづくりをして、どんなプロダクトを生み出すのか、それが楽しみでしょうがないのです。
 
 
「彼らにものづくりの手を止めさせないもの」これが私たちの商品です。